2022.10.14 アルマダ・ロケーターシリーズ

皆さんこんにちは。
10月も半ばに差し掛かり刻一刻と22/23シーズンの開幕が迫ってきております。今季も昨季に引き続き雪が良く降るであろう長期予報が出ております。パウダースキーの準備は充分でしょうか?安定のJJシリーズはもちろん新作ホワイトウォーカー121やARGllなどの一回り太いファットスキーが活躍するシーズンとなりそうです。非常に楽しみですね。さて、前置きはこのくらいにして今回は22/23新発売のツアースキー”ロケーターシリーズ”の詳細に迫ってまいります。昨シーズン中に数回ロケーターに関する配信をしましたがシーズン直前ということで改めて、より詳しい内容をお届けできればと思います。

 

 

Locator(ロケーター)とは探知機を意味する言葉です。Locate=野外での位置や場所。スキーを履いて従来のスキーでは到達できなかった”より奥の山、斜面にたどり着くため”の超軽量ツアースキーです。長年親しまれた”トレーサー&トレース”の後継機種に当たります。”ロケーター”は前作を遥かに超えた超軽量でありながら、ライド性能を高めた全く新しいユニセックスで使用可能なツアースキーです。軽さと強さという相反する要素の共存を最新の製造技術で実現し、細かな用途に合わせた4機種のラインナップで、HIKE&RIDEのスタイルでより遠くを、よりいい雪を、よりいい斜面を狙うことを可能としました。太いモデルほどパウダーライドに特化、細いモデルほどハイクに特化したフレックスパターンとロッカーバランスを施されております。しかしながら大幅に軽量化されたため、従来製品よりもワンサイズ太く、長くといった新しい選択の仕方も可能となりました。スキーヤーの新たな可能性を広げ、良きパートナーとなってくれることでしょう。

 

ロケーターの注目ポイント

①カルバコア
カルバコアはアルマダのスキーづくりにおいて軽量スキーを作る際に使用される超軽量コア材です。おなじみのJJULやARW106ULなどにも使われており、軽いスキー=カルバコアと思っていただいて結構です。密度の低い軽量な木材を使用しますが通常滑走における十分な強度を確保しながら、機動性を高めるための圧倒的な軽さを備えたスキーを製造することが可能です。前作のトレーサーシリーズも同じコア材を使っておりました。アルマダの軽量スキーにはなくてはならない素材です。

 

 

②カーボンレインフォースメント
今回、トレーサーに比べ圧倒的な軽量化と、剛性感のアップを実現できた理由がここにあります。トレーサーは主にグラスファイバーを用いてスキーの補強とフレックスパターンの調整を行なっておりました。グラスファイバーはスキー製造においてはポピュラーな素材です。厚さや積層する枚数によってスキーの特性を変化させることができる反面、素材そのものがカーボンに比べ重く、積層数が増すほどに接着剤の使用量も多くなるためスキーの質量が増します。今回ロケーターに使用されているカーボンレインフォースメントの場合は、軽量で薄いカーボン素材を1層張り込むだけで、スキーの質量増加を最小限に抑えながら強度や剛性を大幅にアップすることができる画期的なアイテムです。似た技術はJJULやホワイトウォーカー116でも使われています。乗り味に関してもお大きく変わっております。トレーサーはグラス由来のしなやかでややまったりとした乗り心地でしたが、ロケーターはシャキッとして”攻められるな”と思わせてくれる頼もしさを感じさせてくれます。カーボン素材によって反発は増しましたがや振動の収まりはトレーサー以上です。剛性も増しているので細いモデルになってもしっかり踏み込め、エッジングの安心感も大幅にアップし、様々な状況が混在するBCにおいて安全なライドが可能となりました。また、歩行時に無駄なねじれも発生しなくなったためシールのグリップが安定して無駄な体力の消耗も抑えられます。たった一つの素材がこれだけ私たちのスキーに恩恵を与えてくれます。

③サイドウォールの長さ
トレーサーは接雪面の全てにサイドウォールが入っておりサンドイッチ状態(AR100)でしたが、ロケーターではサイドウォールが短縮(AR75)相当となっております。これはゆるいサイドカーブ(Over 20m)にカーボン素材の取り入れることで元々の剛性が従来機より格段に上がり、直進性が強すぎることで、エッジが噛み込み過ぎて”曲がらない、ズレない”といった致命的な現象を防ぐ狙いがあると考えられます。サイドウォールのない部分は接雪点よりも手前から始まります。そのためスキーの両端部は簡単にしなり、Rの表記以上によく曲がり、端部のエッジの食い付きも弱くなるためズラしたい時は簡単にエッジを外すことができ自由度の高いスキー操作が可能となります。安全面においてもズラすという要素はBCやパウダーで必要不可欠です。また、Topは適度にしなりますので浮力を発生させます。パウダーでの性能もウエスト以上と言うわけです。

④キャンバー &ロッカーバランス
ロケーターはソリ上がりを抑えたロッカーと控えめなキャンバー が特徴的です。あらゆる抵抗を減らし高い速度域でのライド性能を追求した形状と言えます。前作同様に、太いモデルほどパウダーライドに特化、細いモデルほどハイクに特化したロッカーバランスが施されております。

⑤ARバッドテールエンド
すべてのスキーのテールエンドにはバッドテール加工が施されシールクリップが自動的にセンタリングされます。素早いシールの脱着をアシストし、一分一秒とも時間も無駄にしません。

 

センター幅とビンディングチョイス

各モデルの特徴を簡単に挙げると112はパウダーハンティング、104は太身のオールラウンダー、96は機動力と滑走性能が好バランス、88は圧倒的な機動性です。北海道エリアでは112or104、本州では104or96を選ばれるケースが多いです。平均すると前作同様に100mm台がやはりメインとなっている傾向にあります。基本的なビンディングセットアップとしてオーバー100mmのスキーにはシフト、アンダー100mmのスキーにはフルピンタイプのトレーサービンディングを推奨しております。理由としては2点挙げられます。

①ライド性能が高く比較的パワーのあるスキーである点。
100mmを超えてくるとブーツとビンディングが点接点のフルピンでは力が伝わり辛くなるとともに非常に強い外力が接点に加わるため不安定な滑走フィーリングとなってしまいます。シフトであれば面接点であるためアルペンビンディングさながらの安定感と安心の結束が保証されます。

②大まかに88・96はハイク、104・112はライドに重点をおいている点。
ハイクを重視したスキーには軽量なフルピン、ライドを重視したスキーには面接点で確実にブーツのコバをホールドしてくれるシフトが理にかなっているといえます。最近はシフトばかり注目されてますが、ハイクと滑走を何度も繰り返す縦走スタイルの長距離ツアールートではモード切り替えが容易でトラブルの少ないフルピンが有利です。あくまで推奨ですので体力・体格や目的によっては例外の組み合わせも発生しますのでプロショップにご相談ください。

 

製品の詳細

112はロングハイクでさらに奥地のディープパウダーハントをするために開発されました。180cm(1500g)という超軽量スキーでありながらもカーボンでパワーアップを図ることでパワフルなエッジングと高速滑走を可能とする強さを兼ね備えております。また、浮力を発生させるワイドなトップを有しながらもキャンバーアーチを低く設定することでディープパウダーをハイスピードで滑走することが可能となりました。ハイク&ライドをさらに極めるスキーヤーをネクストレベルへ導くBC最速スキーに違いありません。ライドのためのスキーですのでビンディングはシフト推奨です。

104はあらゆるコンディションで高いパフォーマンスを発揮するオールラウンドツアースキーとして位置付けられております。ソフトバーン、ハードバーンが混在するBCエリアにおいては、パウダーでの浮力と素早く力強いエッジングが可能なレスポンスの良さが必要不可となります。104mmという最も汎用が効くウエストと、カーボン由来の力強さで不安のないライドを実現いたしました。状況に左右されやすく不確定要素の多いBCだからこそライドにおいて汎用性の高い104はライダーにとって最高のパートナーとなるでしょう。ハイク&ライドのスタイルでよりライド性能を特化したいライダーは104で間違いありません。ライドのためのスキーですのでビンディングはシフト推奨です。

 

96はハイク&ライドのトータルバランスで最高のパフォーマンスを発揮いたします。ハイク&ライドのスタイルでよりハイク(機動性)に特化したいライダーは迷わず96を選択すると良いでしょう。ハイク時にしっかりとシールがグリップするアンダー100mmのセンターで歩きやすく、キックターン等のBC特有の動作もスムースに行うことが可能です。小さな消耗の積み重ねが結果を左右し、ライドの余力を残さなければならないロングツアーにおいて、無駄な体力の消耗を抑えられることは大きなアドバンテージとなります。滑走性能についてはシリーズ中最もエッジングレスポンスと足元の安定性のトータルバランスが良く、アイスバーンにおいてもしっかりとスキーコントロールが可能で、よりシビアなコンディションであっても安全なライドをサポートいたします。また、新雪をキャッチしやすいトップとセットバックされたセンターによりウエスト96mmのスキーとは思えない浮力を発生させ、パウダーライドもこなすポテンシャルを秘めております。機動性を高めるためにTRACER TOUR ビンディングを推奨いたします。

96に関しては過去の投稿でより詳しくレポートしております。
上部写真をタップ↑↑

 

88はライダーをより速く、より遠くへ導くべく超軽量ロングツアーリングスキーとして開発されました。シリーズ随一の高い機動力に加え、カーボン使用により前作トレーサー88を遥かに超える滑走性能を手に入れたロケーター88の誕生により、軽量化のために滑走性能を犠牲にする時代は終焉を迎えました。細く、強く、より厳しい環境の中で生き抜くための究極モデルです。機動性を高めるためにTRACER TOUR ビンディングを推奨いたします。

ARV 86 PV x Gen Fujii

 

 

ARMADA Japanライダー藤井源が本国制作のARV86 プロモーションビデオに出演しました。これから始まるシーズン、Genはオリンピックに向けて海外のW杯を転戦します。今夏のNZでも表彰台を獲得し、着実に歩んでおります。皆様、応援よろしくお願いいたします。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
また次回もお楽しみに!!

 

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