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2025.07.17 始まりと未来。
みなさんこんにちは。最近は台風の接近による雨のおかげで気温がぐっと下がり、過ごしやすい日が続いておりました。7月も半分が過ぎ、徐々に夏休みモードになっていくのではないでしょうか。夏といえば水遊びのハイシーズン、事故にはくれぐれも気をつけて遊びましょう。
さて、今週もブログを更新してまいります。
今回のテーマは“始まりと未来。”
ARMADAの使命

2000年前後、スキーヤーのライドスタイルは変化し始めましたが使用する道具や既存のブランドは中々変化しませんでした。 フリースタイルスキーは従来のスキーとは違い、スノーボード、スケートボード、そしてサーフィンの自由に共通したものがありました。 そこには、滑り手の感性に任せたプロダクトの開発やブランド構築が必要となり次世代のスキーヤーがその熱意を共有してARMADAが誕生するきっかけになりました。

2002年11月、ARMADAの事業はカリフォルニア州トラッキーの地下本社からスタートしました。 その後、ビーチシティのコスタメサに移り、世界最大級のスケートブランドやサーフブランドが本社を置くエリアで感性を共有。 現在はソルトレイク・パークシティーにテストスキー製造レーンを兼ね揃えた本社を構え、開発力を強めております。

今でこそ様々なジャンルのスキーがラインナップされておりますが、創業からしばらくはツインチップ一筋で、数々のビッグコンテストやフィルミングシーンでこのカルチャーの発展に貢献し、シーンと共にブランドも発展してまいりました。フリースタイルやフリーライドの創成期からシーンをリードするブランドとして、フラッグシップモデルにおいて開発力を高めることはもちろんですが、このカルチャーへの入り口となるきっかけとなるギアを生み出し、多くの人々がこの世界に足を踏み入れられるチャンスを作り出すことも我々の責務の一つであります。
“始まりと未来。”そのきっかけを作り出すモデルとは
ハイコストパフォーマンスの“ARV&ARW84”と25シーズンフルモデルチェンジを果たした本格Jr.モデル“TANTRUM”、 この2モデルは今後、多くの人々をスキーという遊びに引き込み、その人生を変えるきっかけとなりうるポテンシャルを秘めているに違いありません。ARMADAといえば“ハイエンドモデル、上手い人が使うスキー”などと敷居が高いイメージが先行するかと思いますが、それらのノウハウを落とし込んだエントリー向け&Jr.モデルの存在を忘れてはいけません。
ARV&W84

このスキーの前身は2008-2015の期間に販売されていたEL-REYです。振り返ってみると、アルマダはかなり早い段階で、コストパフォーマンスに長けたモデルの開発に着手していたことがわかります。そして、徐々に短いサイズもラインナップに追加され、”老若男女問わず使用できるエントリーモデル”、”スキーをより身近に楽しむことのできるコスパに優れたモデル”と言った二つの顔でそのポジションを築き上げました。
2016年にはアルマダのツインチップコレクションがARV&ARWとして展開がスタートし、EL-REYは現在のARV&ARW84としてアップデートが施されました。中々脚光を浴びることのない立ち位置にはおりましたが、モデルが変われど17シーズンもの間、同じコンセプトを継承し、アップデートされてきたロングセラーモデルです。また、ARV&ARWの違いについてですが、グラフィックの違いのみで構造、スペックは共通です。

Skier : Gen Fujii / 2017

Skier : Eigo Higuchi / 2017

Skier : Kankuro Ota /2018 Photo : Takaya TKY Kawaguchi

Skier : Kashu Sato /2019 Photo : Freeskiing
ARV&ARW84でライダーキャリアをスタートし、活躍するアルマダライダーも少なくないことも揺るがない事実です。
ARV&ARWの注目ポイント
・基本に忠実なシェイプとフレックス
センター幅80mm代というのはツインチップスキーの基本とも言えるセンター幅で、太いスキーが流行している現在でも、トリックの複雑化が止まらないコンペシーンでは主力となっております。フレックスは全体的に柔らかくなっておりますが、もたつかないシャープな操作感も感じられる味付けです。ラディウスも小さ目で簡単にターンができますので、経験が乏しくてもスキーやトリックの基本を覚えて、最速のステップを目指すためには最適なスペックといえます。
・内部構造
当初は廉価版モデルにありがちなフルキャップ構造でしたが、名ツインチップスキーとして名高いAR7やパイプクリーナーに用いられていたAR50サイドウォールを採用する事で、よりスキーらしい滑走フィーリングを体感でき、ジブやジャンプの衝撃からスキーの構造をしっかりと守られるようになりました。
・ハイコストパフォーマンス
スキーをより身近な遊びとして、気軽に始めることができるように。著しい成長に伴う、スキーの激しい消耗を避けられないJr.&ユースライダー達のために。ARV&ARW84は未来のスキーシーンのためになくてはならない存在です。
フィールドテスト
2025年4月、84の実力を調査すべく、フィールドへ出掛けてまいりました。テストサンプルはARV 84 164cmにSTRIVE14GWをフリースタイルリコメンド(-25mm)で取り付けました。使用ブーツはAR ONE 110 MVです。

•スキーとしての性能
第一に、フレックスがソフトで簡単にスキーが撓むため、簡単にターンが可能です。ただ柔らかいだけではなく、足元はAR50サイドウォールにより剛性が高められ安定感も感じられます。強く踏んで曲げていくスキーではなく、自然に乗って、曲がっていくような性格ですので、技術レベル、体格に左右され難い優しいスキーです。また、Top&Tailのロッカーが、足の取られやすいコンディションでも軽快な操作感で安心感を感じられます。スキーらしい性能を引き出すためには、Factory Recommendへの取り付けをお勧めします。
•フリースタイルスキーとしての性能
飛んで、回って、ジブを擦って、バターして。最低限これらができなければフリースタイルスキーとは呼べません。ジャンプやジブではやはり細身で身軽なスキーのアドバンテージを強く感じました。そうでありながら84は柔らかいフレックスとロッカーにより、多少乗る位置を外してもピーキーに板が反応しないので、余裕を持ってアイテムに臨める=トリックに繋げやすい点が印象的でした。つまり、他のスキーよりもトリックが決まりやすい(一般的なレベルで考えて)と感じられました。また、最近話題となりがちなグラトリもしやすいエッジレスのTopも嬉しいポイントです。最後に、コンペを目指す事を考えると84で基礎を習得し、俊敏な反応とパワーロスの少ない88にステップアップすることが望ましいです。

ワイドなサイズレンジで子供から大人まで様々なスキーヤーが履けるARV&ARW84。
TANTRUM POW 100&FREERIDE 92

“未来のある子供たちに大人顔負けの滑りをしてもらいたい。大人と同じ体験をしてほしい。”そんな思いからTANTRUMがフルモデルチェンジを果たしました。以前はTST 156cmをベースに、ショート化することでラインナップを展開しておりましたが、この度、1から設計を見直し、高機能で贅沢すぎるスキーに生まれ変わりました。

POW 100のベースはARV112、FREERIDE 92のベースはARV106ということで、Jr,スキーの領域を超越したアップデートとなっております。オリジナルモデル同様のロッカーバランスで、スキーの設計センターも従来機よりもセンター寄りに設定されております。

ベースモデルの単なるダウンサイジングではなく、中身から子供たちのために設計されております。今回はTANTRUM専用のコア材を用いて、サイドウォールはジュニア向けに設計したW3DGEWALL YOUTHを使用することで、オリジナルモデルの性能を高次元で再現しております。これらはARMADAの未来に対する強い思い入れの現われです。

タントラム・パウ 100は、フリーライドシーンで数々のリザルトを残したARV112をベースに、体重の軽いジュニアスキーヤーのために特別にデザインされたパウダー・オールマウンテン・スキーです。サーフライクにスラッシュするもよし、次世代ならではのハードチャージングするもよし。大人顔負けのライディングを可能にしてくれます。

タントラム・フリーライド 92は、フルスロットルで本格的なフリーライドを行えるようにARV106をベースにデザインされました。モールドハイブリッドコアとDECLIVITY X やARV112&106にも採用されている、長めのロー&ロングロッカーは、オンピステやオフピステでもパウダーでも、高いパフォーマンスを発揮します。ビンディングをセットフロントすることで、パークでの使用も可能です。最近のトレンドでもある、”太めのスキーでスタイルを表現したい”そんなキッズスキーヤーの要望も満たしてくれます。
合わせてセットしたいビンディング
今回紹介したスキーにベストマッチなビンディングをご紹介いたします。ビンディングを選ぶ際の注意事項としては、特にスキーの使用者が小学校高学年の場合、履いているブーツの規格に注意する必要がございます。この年代は子供用のブーツから大人用のブーツに多くの子供たちが切り替わるタイミングでもありますのでご使用のブーツに合わせたビンディング選びが必要です。

STRIVE12はアダルト規格(大人規格)のビンディングで、アダルト規格のブーツを使用している小学校高学年から中学生までのユース層や女性ライダー、スキー入門の方にお使いいただけるビンディングです。数多く存在するスキービンディングの中でも、センター幅が広いことが当たり前となった現代のスキーのために開発された最新モデルです。ARMADA Japanフリースタイルユースライダーも使用しております。

L7はジュニア規格のビンディングです。ジュニア規格では珍しいワイドブレーキ(100mm)が用意されるなど、TANTRUMシリーズにベストマッチのビンディングです。TANTRAM100&92の一番短いモデルはスキー自体がジュニア専用規格で薄いため、L7などのジュニア規格のビンディングを選ぶ必要がございます。詳細はプロショップにご相談ください。
次回予告

次回の配信は、お馴染みの旅するスキーガイド 河口TKY尭矢より海外遠征記が届いておりますので、そちらを配信したいと思います。今年はどこで、どのような斜面、雪に出会ったのか、ご期待ください。次回配信もお楽しみに!
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