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2025.03.07 KIMBO vs STRANGER
皆さんこんにちは。
二月中も降雪の勢いが劣らず、何十年に一度レベルの大雪となりました。ここぞとばかりにパウダーを満喫された方も大勢いらっしゃることでしょう。各地の山も積雪がぐんぐん増え、今年の春スキーシーズンは長くなりそうですね。雪がある限り、いろいろな方法でスキーを楽しみたいところです。
さて、まだまだパウダーのチャンスはめぐってきそうですが、少しずつその機会も減ってくるこの時期。各地を巡っているDEMO TOURにおいてもセンター90mm~100mmのスキーを探されている方に出会う機会が増えてまいりました。特に100mmというワードを耳にする機会が圧倒的に多くなっております。
このレンジのセンター幅でスキーを必要としている方のニーズをヒアリングしていると“一台ですべてをこなしたい”“パウダー機のフォローとして降雪の無い日&春用”と大きく2パターンに分けることができる点がなんとも興味深いです。ARMADAのラインナップを見ても90~100mmのスキーの展開が多くなっており、日本だけではなく、世界中でそのニーズがたくさんあることが伺えます。

このセンターレンジで今季初登場のスキーと言えばKIMBOです。あの、ショートラディウス&セミファットで多くのファンを生み出したSTRANGERのナローバージョンとして登場するも、昨年のDEMOTOURには並ばず、謎多き一台でもあります。今回はSTRANGER&KIMBOを乗りこなす磯川健斗のレビューも交えながら、この春活躍するに違いない注目のスキーとしてし取り上げてまいります。
このスキーを語るうえで外せないキーワードは”スプリングボード”
STRANGERではスプリングボードテールと名付けられた、テールが特徴的でしたが、KIMBOはスキー全体がスプリングボードのように機能します。ライダー磯川も”ヤワハリ”とKIMBOの特徴を一言で表現したように、柔らかいフレックスであるのにハリを感じるなんとも不思議な味付けとなっております。
”ヤワハリ”の秘密
なぜ、柔らかいのにもかかわらず、ハリを感じるのか?スキーは撓んで戻ってを常に繰り返します。注目する点は撓んだ状態から、戻るスピードです。STRANGERに使用していたポプラアッシュコアはまったりとした戻りが特徴の芯材で、KIMBOに使用したポプラコアは素早い戻りが特徴の芯材です。後者の方が、スキーを同じフレックスで作ったとしてもシャープな使用感を感じることができます。両者はスキーを撓ませるために必要な力こそ同じでも、元に戻るスピードが大きく異なります。
軽快な操作感
STRANGERと比較して重量が軽いことに加えて、スイングウエイトが非常に軽く仕上げられております。Rは変わらず15mとショートラディウスですので、さらにクイックに、俊敏に動くことが可能になりました。まるで、パークスキーのような軽快な操作感のまま、グイグイと曲がることのできる遊べるスキーとなっております。
シーン別でのインプレッション
①フリーラン
STRANGERとの共通点と言ってもよい、スキーのフレックスとラディウスに任せたターンはこのKIMBOにも健在です。無理に曲げようとするのではなく、Rとスキーの撓みに依存することでクルージングを楽しむことが可能です。細かいターンが得意なことは言うまでもありませんが、STRANGERよりも縦に落ちていこうとする性格がありますので、深めの中回りから大回りまで、乗る位置をほんのわずかに変えるだけでスキーの挙動が変化する点も特筆するべき点です

②地形
春シーズンと言えば地形遊びも楽しくなる時期です。沢地形や、壁など、遊べるポイントがたくさん点在するような場所でもこのスキーは生きてきます。エッジを立てると良く雪を掴み、ショートラディウス感を感じられますが、角を立てずに面で雪をとらえると抵抗のないヌメヌメしたスキー操作が可能です。良く曲がる、良くズレるという点で自由度のより高いライディングを楽しむことが可能となります。壁=R系の地形にも強く、ジャンプやバターを織り交ぜたライドスタイルにももってこいな一台です。

③パーク
元々このスキーは、STRANGERでパークを滑走していたキム・ボバーグがよりパークライドに適したSTRANGERが欲しいということがきっかけで開発がスタートしました。全体のナロー化を図り、反発の強い芯材をしよすることで、より軽快に、より機敏に動くことのできるセッティングとなっております。ノーズ側はプレスしやすいように柔らかめに、テール側はテールマニュアルのように体重をしっかりと預け、維持できるようにやや硬めに、チップにはアルミプレートを搭載しました。テール側が強めの設定となっているため、ジャンプでの高さが出やすいのもこのスキーらしさです。

*ビンディングのセット位置について
KIMBOはビンディングの取付位置一つで性格が大きく変化します。
以下を一つの目安としてみると良いでしょう。DEMO TOURで使用しているテストスキーは下記のすべての位置でお試しいただけるように取付を行っております。
・Factory Recommend
ど真ん中から20㎜下げた位置に設定されています。Factory Recommendはパークセンターと言ってもよいでしょう。乗り方によってはテールの引っ掛かりを感じます。
・Freeride Recommend
商品にはラインが引かれていませんが、スキーの設計図にはど真ん中から-60mmの位置にその記載があります。これはもっぱら滑走を前提としたときに、もっともスキーの性能が発揮されるポジションです。STRANGERが-80mmですので、全体的に約20mmセットフロントでスキーが設計されています。
・ARMADA Japan Recommend
こちらも商品にラインは引いておりませんが、ど真ん中から-40mm下げた位置に設定しました。スキーらしい滑走と、フリースタイルな動きを両立できる位置です。有効エッジのど真ん中から20㎜程セットバックされた状態となります。
さて、今回はこれからのシーズンにぴったりな、今期最新作のご紹介でした。
ARMADAには他にARV94&100やBDOG,EDOLLOなど、ご自身のスタイルに合わせたチョイスのできるラインナップがございます。ぜひ、試乗会で、これからのシーズンをもうワンランク楽しむための一台をお探しください。また、各種、ビンディングのセット位置の洗い出しも対応可能ですので現場スタッフにお気軽にお申し付けください。

今週末、いよいよDEMO TOURが最終回を迎えます。野沢温泉スキー場で皆様のお越しをお待ちしております。

話題のブーツAR ONEも24.5cm,26.5cm,27.5cmをご用意しております。新感覚、全く新しいARMADAらしさ溢れるブーツもぜひご体感ください。
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