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2024.03.15 New DECLIVITY X シリーズ
みなさんこんにちは。早いもので3月も中盤。ハイシーズンの降雪が少なくこの時期にスキーができるのか非常に心配な状況が続いておりましたが、連日の降雪に恵まれ、なんとかシーズンはまだまだ継続しそうな状況です。野沢温泉テストセンター周辺も3月に入ってから積雪がぐっと増えており、例年に無い良い雪を楽しめている状況です。また、3月に入り、全国各地をラウンドしたDEMO TOURが終了し、各ディーラー様主催のユーザー試乗会のシーズンに入りました。各地でのDEMO TOUR参加の皆様ありがとうございました。これから試乗を希望される方はディーラー試乗会に出かけていただくか、4/12-14の野沢温泉スキー場主催 合同試乗会にご来場ください。さて、今回は完全に生まれ変わったDECLIVITY X シリーズについて詳細をご紹介してまいります。
今回のトピックス
・現代のフリーライドスキー
・New テクノロジー
・ラインナップ
・現代のフリーライドビンディング
現代のフリーライドスキー
24-25のARMADAのテーマは”FREERIDE SKIの開発とその充実”です。現代のFREERIDE SKIINGはさまざまなスキージャンルの融合です。フリースタイル、ビッグマウンテン、レーシング、基礎の要素を取り入れ進化を続けております。どのような経歴を持つスキーヤーであっても、特に高いレベルでは、それらの他分野の側面を自分のスキーに取り入れ、自分のスキースタイルを構築することが当たり前となっております。24-25シーズンは今回紹介するDECLIVITY Xシリーズに加え、フリーライドツインチップのARV106&112が新たに加わりフリーライドスキーの製品充実が図られております。
New テクノロジー
・Longer / Low Rocker
長く、立ち上がりを低く抑えたノーズロッカーでオフピステで受ける抵抗を上手くいなし、スピードが乗りやすくなっております。
※サイドカット、フレックスは同じでロッカーバランスが違うと仮定した時。
“ロッカーの大きいスキーはパウダーで大きな抵抗を受け、ノーズが大きく撓むので=浮くがスピードが遅い。逆にロッカーの小さいスキーは沈んでしまう。”
ロッカーをロング&ローにセッティングすることでスピードと浮力の両方を殺すことなく両立します。ARV106&112を含む今期一新されたフリーライドモデル全てに搭載された新テクノロジーです。
・Shallow Camber Pockets
キャンバーを浅くすることでTop&Tailがグリップしすぎず、スラッシュ=ズラしやすくなっております。フリーライドスキー本来の戦いの場であるオフピステでの自由な操作性を体感いただけます。
・ATB-X
従来のATBはメタルがスキー全体に配置されておりましたが、ATB-Xはメタルの配置場所を足元に集約した形となっております。必要な場面では足元の強いエッジコンタクトが可能で、Top&Tailはメタルが入っていないためソフトな雪を捉えやすく、オフピステでの自由度の高い操作が可能です。センター幅が太くなるにつれてパウダーやオフピステを滑走することに比重を置き、メタルの配置量を少なくしております。DECLIVITY X はフリーライドスキーに必要な”剛と軟”を兼ね備えます。
ラインナップ
最も過酷な状況下でハードチャージングするために開発されたTofのシグネチャーDECLIVITY Xが軽量化を施し、リニューアルされました。軽量なカルバコアとグラス配合量の最適化により軽快かつ、従来同様にスピーディーに斜面を駆け抜けることが可能なスキーとなております。基本的なシェイプの変更はございません。
X108は1からシェイプ、構造を新設計した全く新しいスキーです。旧108TiはTopからTailにびっしりとATB(メタル)が入っておりオフピステや硬い斜面で強いスキーでしたが、X108はフリーライドに必要なTop&Tailの柔らかい雪への追従性と、自由なスキーのスライド操作ができるようにメタルの配置とロッカー形状を変更しました。また、推奨取り付け位置は二ヶ所設置し、クラシカルな後ろよりのセンターラインと、ARMADAのフリースタイルフリーライダーのKonstantin Ottnerが推奨するモダンな前よりのセンターラインが設定されております。
X102は1からシェイプ、構造を新設計し、ARMADAのパークライクなDNAを併せ持つディレクショナルフリーライドスキーです。従来の102Tiはオンピステスキーの色味が強く、硬派なシェイプとTi由来の力強いスキーでした。しかし、新しいX102はARMADAの最もゴールデンなラディウス=JJULと同じ18mに設定し、Top&Tailのメタル配分を少なくしたATB-Xとすることでオフピステでもスキーを簡単にずらすことができるようになりました。前作よりもよりマイルドな乗り味となっており、オンピスてもしっかり滑れる中に、どこかJJのようなARMADAらしい遊び心も垣間見れるスキーになっております。各地の試乗会で密かに話題となっている注目の一台です。
現代のフリーライドビンディング
この10数年、スキーは著しく進化しているにもかかわらず、現代のワイドなスキーに対応する画期的なフリーライドセパレートビンディングは開発されずに時間だけが経っておりました。この問題を解決するべくSTRIVEシリーズが誕生し、登場から2シーズン。フリースキー、フリーライドスキー界で徐々にその存在感を出してきている注目のビンディングです。
◎全てのモデルに共通している点↓
①軽量で低重心
質量が従来機種よりも小さいのはもちろんですが、低重心化=取り付けた際に重心がスキーに近くなるため、スキーとビンディングの一体感が格段に向上しました。低重心化というのは、単にケースを薄くコンパクトに作るだけでなく、その物体の重心そのものをスキーに近づける構造を取ることで、スキーとビンディングという別々の物体がまるで一つの物かのように一体化させることを目的としております。
②ワイドなスキーに対応するデザイン
ビンディングの取り付け面積を広くとってあるため、ワイドな現代のスキーにもロスなくパワーを伝えることができます。
③スキーのフレックスを損なわないトゥピース
一見、②によりフレックスが犠牲になりそうなところですがしっかり対策がされております。STRIVEのトゥピースはスキーの撓みに追従して稼働する構造のためスキーのフレックスを最大限に活かせるほか、スキーが撓みやすくなるため雪面にエッジがしっかりと噛み、ターンがイージーに、その質も向上します。極端な表現をするとこのビンディングは、スキーの性能を大きく変えてしまう力を持っております。
◎STRIVEの選び方↓
・STRIVE 12 GW
→トゥピースは14と共通。エントリー、女性、ユース向けのモデルでありながら、ヒールピースがスクリュー調整式となりフラッグシップモデル顔負けの機能を備えております。
カラーバリエーションも豊富です。
・STRIVE14 GW/MN
一般からライダーまで幅広く使用可能なモデルです。このシリーズで最も多くの方に使っていただけるメインモデルです。
前作ではSTH16などを使用していたライダーも最近はSTRIVE14に変更しているケースが多く、それだけ信頼できるモデルです。写真のスキーにはいずれも14GWを搭載しております。開放値7-10程度で使用するのであればこのモデルがベストです。
・STRIVE16 MN
剛性の強いスキーやハードユースするエキスパートフリーライダーのためのビンディングです。(写真左STRIVE16MN,右STH16MN)ヒールピースの構造が他のモデルと大きく異なり、旧STH13のヒールピースを使用し、テール側の剛性を上げております。また旧STH16のヒールピースにはメタルのブレースが入っておりましたが、STRIVE16には入っておりません。
◎GWとMNの違いについて
・GW=グリップウォーク規格はアルペンソール、グリップウォークソールのどちらにも工具なしでステップインするだけでトゥのコバ高さに自動アジャストする機構を備えております。前圧以外の調整が不要なのでストレスフリーです。ライダーでも16MNではなく14GWで十分という声も多く聞かれますのでユーザーの皆様にも14GWで十分満足いただけます。
・MN=マルチノーム規格は手動でコバ高さを調整する機構が備わっており、極端に厚いツアー規格のラバーソールや、旧規格WTRにも対応が可能となっております。しかし、ツアー向けのラバーソールブーツでSTRIVE使用することは組み合わせ的にも稀なケースです。また、WTR規格に関しても現在は販売しておらず、年式的にも経年劣化が進行しておりますので、GWまたはアルペンソールのブーツを新調することをお勧めいたします。このMN規格のビンディングのメリットはアルペンやグリップウォークソールで細かなコバ高さ調整が可能ということです。従来よりライダー、選手はこちらのタイプを好むケースが多いです。定期的にコバ高さのチェックと再調整が必要ですので使用には注意が必要です。
長くはなってしまいましたが、いかがでしたでしょうか?
現在進行形でスキーの進化、ビンディングの進化は止まりません。
スキーの特性や用途に合ったビンディング選び、ブーツ選びは重要です。
スキーをより楽しむためには各用具のバランスと組み合わせが非常にキーポイントとなります。
次回の配信もお楽しみに!!