2024.09.27 高機能ウエアの新定番:GRANDS&EMMONS

皆さんこんにちは。

連日の暑さも、いつの間にか落ち着き、肌寒いくらいの今日この頃。寒暖差が激しく、なかなか体がついてきませんよね。しかし、一気に季節が進み、我々が楽しみにしているスキーシーズンに着実に近付いております。24日に発表された、気象庁寒候期予報(2024年12月~2025年2月)では、北日本、東日本の日本海側で気温が下がりやすく、降雪量が平年並みかそれより多くなる見込みとの事です。11月からぐっと冬が進む予測ですので、ギアの準備は抜かりなく進めましょう!

さて本日は、ARMADAのハイパフォーマンスウエアとして地位を確立しつつあるGrands3LJKTxEmmons3LBIBについて、お届けしてまいります。このウエアは販売がスタートして4シーズンほどが経過いたしました。発売当初は、ゴアテックス一辺倒であった時代です。過酷な自然環境で使用する前提のテクニカルウエアというジャンルで、ゴアテックス使用製品に対して劣勢であったものの、今となってはARMADA代表するウエアの1つにまでに成長いたしました。

ウエアの基礎情報

・テクニカルウエアとは?
バックカントリーや登山といった過酷な環境で機動性、機能性、安全性を追求したウエアの総称です。俗に3レイヤー(3L)と言われているものの多くが該当します。

・3Lウエア vs 2Lウエア その違い。
3Lウエアは、表地、メンブレン、裏地の3種類の生地をラミネートし、3層構造の1枚の生地として使用しております。高価ですが、透湿防水性が高く、強度の高い生地となります。ウエアの生地が非常に薄くペラペラしておりますが、水分、風をほとんど通しません。中綿がないので、レイヤリング(化繊の中綿入りジャケットやフリースなど)で気温に合わせて調整する必要がありますが、通年を通して1セットのウエアで過ごすことが可能です。

2Lウエアは、表地とメンブレンはラミネートされておりますが、裏地は無く、簡易的なメッシュなどを縫い付けてメンブレンを保護しております。中綿が入っているものやゲレンデユースモデルは2L構造です。また、複雑な加工が必要なファッション性の高いウエアも2L構造がほとんどです。厳冬期は綿入り、寒さが緩んだ場合は綿無しと言うようにウエアそのものを変えなければ環境に適応できません。

メンブレンとは?
防水透湿フィルムを総じてメンブレンと呼びます。
このフィルムには目には見えない穴がたくさん開いており、水滴などの大きな粒子は通しませんが、水蒸気のような細かな粒子であれば通るように設計されています。雨や雪の水分がウェア内に侵入するのを防ぐ一方で、汗をかくことで発生した水蒸気を外へ逃し、ウエア内の湿度の上昇を軽減させる働きがあります。これは、多湿化したウエア内気が、より湿度の低い外気への水分子が移動する性質を利用しております。

・どんな時に3Lのウエアが必要か?
第一に、体が湿ってしまったり、濡れてしまったりすることは低体温症を引き起こす最たる要因で、自然の山では命にかかわります。ゲレンデであれば車に戻れば着替えられるかもしれませんが、BCではそうもいきません。BCに出かける時は必須です。たとえゲレンデユースであったとしても、快適性を追求する方、運動量や発汗量の多い方は3Lウエアを着用することでより快適な活動が可能です。

Grands & Emmonsの特徴

①自社開発のメンブレンを使用
表地は擦れや破れに強いリップストップ加工が施されており、裏地は着心地の良い生地を使用しております。表地と裏地の間には自社開発のメンブレンを挟み込み、高い透湿防水性を発揮します。自社製のメンブレンを使用することで高機能でありながら、コストパフォーマンスの高い商品となっております。

②縫い目のシール処理と止水ジップ
縫い目やジップから侵入しようとする雨、風をシャットアウトします。ウエアには当たり前のように必要な機能ですが、縫い目やジップから浸水するケースが多く、過酷な使用状況を考慮しより丁寧な仕上げとパーツの選択をしております。 

③透湿防水機能が20K/20Kに向上
24-25モデルより透湿防水機能が向上し、より過酷な天候でもウエア内の環境を快適に保つことが可能となりました。自然の山では濡れることが命取りとなりかねませんので最も重要なポイントです。

④クールなデザインのテクニカルウエア
「山系ウエア=シルエットがイマイチ、カラーが限定的」そんなイメージを完全に覆す、見た目、機能、コスパもパーフェクトな1着です。3Lウエアであっても2Lウエアのようにデザイン性を高められる時代です。シルエットも太めですが、日本人の体格であればサイズを調整することでタイトに大人らしい着こなしも、パークスタイルのような着こなしも可能となります。BCだけではなく、ゲレンデやパークにも違和感なく馴染むことのできる点もうれしいポイントです。

フィールドインプレッション

ARMADAスタッフTomohiroです。
私はリリースされた年から、計4シーズンGrands & Emmonsをセットアップで着用しております。着用サイズは身長163cm体重60kgでJacket:L Bib:XLです。私の体格で一般的な着こなしを狙うのであればJacket:S Bib:M、ややルーズ目を狙うのであれば、Jacket:M Bib:Lといった感じになります。サイズ選びの際に参考にしていただけますと幸いです。さて、長年このウエアを使用し特筆すべき点をまとめました。


・いつでも快適であること
3Lウエアであるので蒸れや濡れが無く、どんな場所でも、どんな天気でも快適なライディングが可能です。

BCへ出かけて丸一日活動する日も、ゲレンデで楽しむ日も、Demo Tourで一日中外に立つときも、これ一着で通年活動しております。ゴアテックス搭載モデルと比較されがちですが、必要十分な機能が備わっております。人の体は湿気に対して非常に敏感です。一度、このウエアを着てしまうと、もう2Lには戻ることはできなくなってしまいます。

・ARMADAレイヤリングとのコンビネーションが抜群

中々、使い込まなければそのありがたさには気づくことはありませんが、ARMADAのレイヤリング(中間着のフリースやダウン)の胸ポケットとウエアの胸ポケットの位置は完全にリンクしており、野外活動中にフロントジップを開けなくとも中間着の胸ポケットへ素早くアクセスすることが可能です。冷やしたくないスマホなどは中間着のポケットへ、すぐに取り出して食べたい行動食はアウターのポケットに収納といった様に活用しております。

※レイヤリングについて
基本仕様↓ 
Contra Base Layer Top,Kenlem Fleece,GRANDS 3L Jacket
Contra Base Layer Bottom,Atillo Hot Tub Short,Emmons 3L Bib
特に寒い日は、フリースをダウンに変更するなど、より暖かいものを着用しますが、基本的には上記のレイヤリングでゲレンデからBCまで一貫しております。よほど寒い日でない限り、ゲレンデを滑るときは熱くなりがちなのでファーストレイヤーにそのままウエアを着ております。


・しなやかな生地
3Lのウエアはかつてシェルと呼ばれていたように固い生地を用いるケースがほとんどでした。しかし、このウエアの生地は丈夫であるのにも関わらず、しなやかで、動きやすいうえに、着心地もいいところがグッドポイントです。ウエアの生地は直接肌に触れるものではありませんが、薄いファーストレイヤーに羽織った際に着心地の良し悪しを顕著に感じられるため侮る事はできません。

・エッジガードの標準装備

23-24よりスキーヤーにとって必要不可欠なエッジガードが標準装備となりました。従来のエッジガードは固く、ルーズに履くと裾が不自然に立ち、シルエットに悪影響を与えていました。Emmonsに搭載されたエッジガードは厚みを確保しながらも柔軟性に富み、裾周りのシルエットに違和感が出ません。スキーヤーだけでなく、スノーボーダーの皆様にも違和感なく着ていただけるかと思います。


Grands&Emmonsで出かけるBC

もし、このウエアを手に入れたとしたら、きっと多くの皆さんはBCへ出かけたいのではないでしょうか?私自身、北海道の厳冬期から、3000mオーバーの春山までこのウエアとともに訪れた場所は数知れず。しかし、良い雪に出会うためにはベストなウエアだけではなく、ベストなスキーも必要不可欠です。遠くまで足を伸ばせるスキー、そして何よりその貴重な1ライドを楽しみ尽くせるスキーがなければ、何のために何時間もハイクしたのでしょうか?。最後に、スキーに関してもここで少し触れたいと思います。

スキーヤーが集う至る場所で、BCというワードが日常的に飛び交っておりますが、そのスタイルも定義も様々です。昨今のBCについては大きく2つのジャンルに分けて考えることができるのではないでしょうか?

1.Hike & Ride
主に滑走する事が目的のBCスタイルです。
「あの斜面を滑りたい、あそこまで行けばパウダーがある。そこを思う存分楽しもう。全開ですべろう。そして、普通のビンディングのような感覚で滑りたい。」

推奨機種とビンディング例↓
Ski : ARV&W112,JJUL,WW116,Locator112,104
Binding:SHIFT13

※WW121は接雪面が少なく、スキーがワイドなため接地圧も小さいので、パウダー以外ではシールが効きにくくなりますのでご注意ください。

2.Touring
機動性を高めたスキーで、さまざまな景色、斜面、ハイキングを総合的に楽しむことを目的としたBCスタイルです。
軽量なスキーに、軽量なフルピンビンディングを搭載し、機動力をあげる。その中でもライド性能を確保したい場合はLocator104、滑走性能と機動性のバランスが取れた96、機動力をひたすら追求するのであれば88です。1日に何度も登り降りを繰り返すので、モードチェンジがシンプルで操作が早いTracer Techを組み合わせる事で大きなアドバンテージとなります。

推奨機種とビンディング例↓
Ski:Locator 104,96,88
Binding:Tracer Tech

ARMADAのBC&Tour専用設計のLocatorシリーズはより快適な一日を約束します。抜群の機動性を発揮する軽さと、軽いスキーにありがちなライド性能の低下を抑えたARMADAらしいスキーに仕上がっております。国内では104か96がメインワイズとなっております。また、最近は1レングス下げて機動性を高めるためのサイズ選びが世界的に主流となっているようです。
とはいども、用途や体格、好みによってスキーとビンディングの組み合わせは無限大です。
この投稿が皆様のスキー選びの一助になりましたら幸いです。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
お店への冬物納品も順調に進んでおります。
ぜひ、今度のおやすみは正規取扱店へ足を運んでみてください!!
それでは次回の配信もお楽しみに!!

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