2025.07.10 もう一つのトレンド”ミッドワイズ&ショートラディウス”

皆さんこんにちは。
前回に引き続き、最近のトレンドのスキーについて書き進めてまいりたいと思います。
今回のキーワードは”ミッドワイズ&ショートラディウス”です。前回の配信では、スキーの最近のトレンドはセンター幅100mm前後(ミッドワイズ)ということをお伝えしております。その条件を満たしながらも、ターン半径の小さいショートラディウスが特徴的なスキーに焦点を当てたいと思います。

最近のゲレンデシーンではミッドワイズのスキーをオールラウンドモデルとして持つケースが少なくありません。ゲレンデスキーヤーも太めのスキーを持ち、コンディションに合わせてスキーを乗り分けることが当たり前の時代になりつつあり、その有効性についての認識も広まっております。

最近のDEMO TOURでよく耳にする、スキーのスタイル↓
”硬い日はカービングスキーで、柔らかい日はフリースタイル&ライド系のスキーで楽しむ”
雪のコンディションはいつも一定ではありません。それにも関わらず一定の道具を使用し、苦労し、雪質のせいにしていませんか?気づいているスキーヤーはすでに気づいています。DEMO TOURに参加し、気づかれる方もたくさんいらっしゃいます。太めのスキーの必要性を。車も夏は夏タイヤ、冬はスタッドレスを履くように、スキーも最低限、硬い日用、柔らかい日用を持つことが、スキーの楽しみ方を広げる意味でも必要です。

なぜ、ショートラディウスか?
古くから日本でスキーと認知されているもののRは12m前後(小回り系カービングスキー)が中心で、スキー=簡単に曲がるものというイメージを持つ方が少なくありません。また、日本のゲレンデ規模を考慮しても、一部のビッグリゾートを除いて、コース幅が狭く、短いゲレンデが大半で、このようなスキーが定着&発展したと思われます。そのような日本独自の背景から、日本人スキーヤーは基本的に曲がるスキー=ショートラディウスが好きということは、あながち間違った事ではないと考えられます。

もしあなたが今流行りのスキーを探そうとしたとき、最近の流行りはセンター幅100mmくらい、でも多くのスキーがR20m近いものばかりしかない、、、という壁に当たることでしょう。なぜなら、一般的なフリースタイル&ライド系のスキーのラディウス(R)は20m前後の物が9割近くを占めているからです。しかしながら、我々のラインナップにはそんな要望をも満たすショートラディウスモデルが存在するのです。

STRANGER 100

100mmのセンターにWide TipとSquareTail、足元とテールが柔らかく感じるフレックスパターン、R=15m台のショートラディウス。見た目、フレックス共に普通のスキーではありません。しかしながら見た目とは裏腹に心地良い乗り味でゲレンデクルージングを楽しませてくれます。名機とされ、今も問い合わせの絶えないTSTにもっとも近い現行機である事を忘れてはいけません。

・しなやかさとショートラディウス
しなやかで柔らか目のフレックスとショートラディウスが相まってRの表記以上によく曲がるため、簡単に、より深いターンを楽しむことが可能です。

・ウッド由来の乗り味
いろいろなスキーを見渡しても、これほどしなやかで重量のあるスキーは珍しいのではないでしょうか?STRANGERは軽量なポプラと比重が高く、強度の高いアッシュのハイブリッドコアを使用しております。軽量化一辺倒の中、スキー内部の多くをウッドで占める構造で2000g代と重い部類に入りますが、適度な重さがある事でしなやかながら安定感の高い滑走性能を発揮します。そしてウッドが持つ高い緩衝性と適度な反発で乗り心地の良い仕上がりとなっております。カーボンやメタルが完全に入っていないウッドの特性を生かしたスキーといっても良いでしょう。

・扱いやすさ
ディレクショナルという観点から一見扱いずらそうではありますが、Tip&Tailに施されたロッカーはやや手前から効き始めるため有効エッジ長が短くなり非常に扱いやすくなっております。
このことは既にJJをお使いの方はお分かりかと思います。
扱いやすさの面でパウダーツインチップの革命児をJJとすると、STRANGERはディレクショナルの革命児といえます。

・汎用性
JJと同じ139mmのWide Tipとセットバックされたセンターによりパウダーでは、センター100mmのスキーとは思えないパフォーマンスを発揮します。また、取り回しが良いため沢地形やバンクのライドにも向いております。


KIMBO 95

24シーズンにSTRANGER の弟分的な存在として登場したKIMBO 95は、キムボバーグのシグネチャーモデルです。KimといえばZERO STRANGERのパークでの可能性にいち早く注目し、それらを発信し続けたライダーです。本来は、ゲレンデクルーズを楽しむためのディレクショナルスキーであったはずのSTRANGER。誰しもがあの白いスキーでパークをライドするKimを見て驚いたことに違いありません。ショートラディウス(R=15m)のセミファット(センター100mm)で、推奨センター+60mmのパークセッティング(有効エッジ のドセンター)を考案し、多くのファンに多大な影響を与えたことは言うまでもありません。

STRANGERとの違い①
設計段階でのセンターの位置です。ラディウス(R)のセンター=一般的にそのスキーにおいて最もターンがしやすいとされる位置は、それぞれスキーの全長のドセンターからSTRANGERは約-100mm、KIMBOは-60mmとなっております。そして後者はそこから40mm前に出した位置(有効エッジのドセンター)がKimのセンター=Factory Recomendと刻印されております。パーク一筋であればFactory Recomend、ナローなSTRANGERとして、スキーを楽しむのであればラディウスのセンター付近、時にパークらしく、時にスキーらしく滑りたいのであればその間でセンターを決めていくと良いでしょう。

STRANGERとの違い②
シャープさが増したことです。KIMBOはSTRANGERをナロード(細身化)し、芯材をポプラコアに変更しております。スキーが細くなり、軽量な芯材を使用することで、質量、スイングウエイトが必然的に軽くなっております。ポプラコアの特筆する点としてはスキーが素直に撓み、戻りが素早い点です。STRANGERはポプラアッシュコアが使用されており、ポプラコアと比較するとスキーが撓む、戻ると言った際にもたつきを感じます。KIMBOはスイングといった水平方向への動き、撓みと行った垂直方向への動き、どちらにもスムーズに反応、追従しシャープな操作感がなんとも気持ち良いです。

スキーとしての使用感
スキーのド真ん中から-60mmの位置に設計図上は滑走用のセンターが設定されております。そこにセットした際のスキーの挙動としては、反応の良いSTRANGERという感じとなります。STRANGERと比較してテールが硬めの設定となっているためか、軽く踏んだ時はターンが縦に落ちていくような軌道を描きます。対して、テールまでしっかりと撓ませた時は、しっかりとR相当のターンを描き、ターン後半ではテールの硬さを生かした加速感を味わうことが可能です。STRANGERはまったりとした乗り味が特徴ですので、性格は異なります。
また、オフピステでの性能に関してはセンターが広く、フレックスが柔らかめのSTRANGERに分がありますが、グルーミングやコブ斜面に関してはKIMBOに分があります。しかしながらKIMBOは非常に操作感が軽いので、いろいろな場面で活躍するに違いありません。普段、滑る環境で割合の高いシチュエーションを考慮し、スキー選びをしましょう。

その他シーンでの可能性について
DEMO TOURでは大変興味深いユーザー様からの声を頂戴しました。それは、KIMBOはテールがしっかりしているため、テレマークとの相性が良いということです。最近のテレマークは剛性が高く、パワー伝達もダイレクトなNTNビンディングの普及とともに、アルペンスキーチックな強烈なカービングターンなどといった、従来のビンディングでは難しかった動きが可能となりました。それに伴い、適したスキーも大きく変化しております。この件に関しては、これから検証を進めてまいりたいと思います。
また、ツアーシーンでの可能性もこのスキーには秘められているのではないでしょうか?重量的にも許容範囲内ですし、BCに出かけられるショートラディウスのスキーは今までになかったかと思いますので大変興味深いです。また、ハーフパイプの氷壁をいとも簡単に登ることのできる剛性もありますので、トラバースでもずり落ちることが無く、山の中で快適に行動が可能でありながらも遊び心のある滑りでBCを楽しめるのではないかと思います。

スキーの性能を最大限引き出すためには、ビンディングも重要です。ストライブシリーズはこの10数年間でワイド化が著しく進む現代のスキーのために開発した最新ビンディングです。キーワードは低重心、軽量、コスパです。どんなスキーに付けたとしても、そのスキーを1ランク良い物に変えてくれます。ビンディングに迷った時は迷わずSTRIVEを‼フリースタイル・フリーライド界きっての話題のビンディングです。

さらにスキーの性能を引き出す”第三のブーツ AR ONE”

AR ONE=ハーフカブリオ(1/2CAB)デザイン
→2ピース(4バックル)&3ピース(3バックル)の要素を融合させた第三のブーツ。

その見た目から「昔からよく目にする3ピースのフリースタイル風な形をしたブーツでしょ。」「パーク専用のブーツでしょ。」と思われる方もたくさんいらっしゃるかと思いますが、そうではありません。今までに存在したブーツのあらゆる問題点を、ARMADAらしいアイディアと開発力の下、解決したオールマウンテンスキーブーツです。

”AR ONE” 詳しくはこちら

次回予告

今回も最後までお読みいただきありがとうございます。
次回の配信は、今まであまり取り上げられてこなかったARV84についてお伝えしてまいりたいと思います。ARMADA随一のコストパフォーマンスを誇る一台の実力とは?雪上テストにて隠された実力が証明されました。ただのエントリーモデルと侮れません。
次回もお楽しみに!

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