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2022.07.06 アルマダ・ゼロシリーズ
皆様こんにちは。
今回は既に多くのファンの皆様がご存知かと思いますが、改めてゼロシリーズについて取り上げてまいりたいと思います。気になる兄弟機種との比較も行いながら徹底解説して参ります。
“ZERO Series”とはARMADAのクリエイティブな発想と最新技術を用いて生み出されたプロショップ限定販売の特別なスキーです。それらはARMADAの開発陣(ライダーやエンジニア)が作りたいモノ、欲しいモノを形にすることで生み出されております。そして彼らはこう述べております。”ZERO Series”は常にアップデートされ常に変化し続けていくものと。JJULの様に誰もがオートマティックにパウダーを滑られるSkiから、特異性の高いSki、一般概念を覆す様なSkiなど、尖ったプロスペックモデルまで全6機種がラインナップされております。22-23はARG IIのUL化、新たに個性的なWHITE WALKER 121・SHORT PANTS PARADOXがラインナップに追加されました。
“The Dayのための究極のパウダースキーがウルトラライト仕様に”
リバースサイドカット、133mmのワイドなウエスト、キャンバーを持たないARパウダーロッカーは、ARGが特別なスキーであることを印象付けます。22-23より芯材をカルバコアへ変更する事でウルトラライト(UL) なARG II ULが誕生しました。ARG II ULはARGシリーズの第三世代となります。
フルロッカーが実現させる足元を中心としたピボットターンやバタートリックはもちろん、スライドターンが可能で、 ARG II独特の操作感を味わうことができます。ULとなった事でさらにそれらの動きが軽快に行えるようになりました。このパウダースキーは、それまでの常識を破壊する究極のパウダースキーとして開発が進められ、ウォータースキーからヒントを得て誕生しました。70cmを越すようなディープパウダーにおいて比類のない浮力を発揮し、他のどのARMADAスキーよりも最速で滑られます。また、ARGの開発は後のJJシリーズ発展のベースともなっています。
“Ultimate Pow Ski Tool by Sammy”
サミーのシグネチャースキーであるWHITE WALKER(略称WW)にニューモデルが追加されました。名前こそWHITE WALKERとつきますが121と116は全く別のスキーです。また、22-23より従来のWW116はSignature Seriesにラインナップされることとなりました。
WW121はWW116をただ単にボリュームアップさせたわけではなく、ロッカーやフレックス、Top&Tailの3D形状までもを1から全て見直し開発されました。サミー自身が”究極のパウダーツール”と述べるほどパウダーでの性能を極限まで突き詰めた注目のパウダースキーです。
大きく反り上がったTip&Tailのロッカーと足元はフラットキャンバー。サミーが愛用するJJ,MJ,WW116のいいところを掛け合わせたかのような形状が特徴的です。全長183cmのスキーでありながら有効エッジ長は90cm台で、接雪面以外はなんと全てがエッジレスとなっております。
エッジレスの部分はスイベルテックと名付けられ、接雪面以外のエッジレスの部分はTip,Tail共に全て面取りされた3D形状となっております。スイベルとは2つの接続点を持って互いに自由に回転できるようにした接続部品を指します。 一般的なスイベルは、支持構造中の円筒形の棒が自由に回転できるように取り付けられており、釣りが趣味の皆様にはお馴染みの部品です。フラットな足元を支点にTip&Tailは縦横斜め自由自在に動かすことが可能となります。まさにスイベルのような動きを可能とする3D形状です。
WHITE WALKER 121
高浮力と121とは思わせない捌きやすさ。
*121と116の比較
WW116はハイクアップ対応で軽量であることを前提として”とにかく高速で滑りたい。ビッグヒットを決めたい。ランディング後も思った通りのラインを落としたい “。そんな思いでSammyはWHITE WAKKER116を開発しました。高速性能や踏切時に感じられる反発力はパウダースキーとは思えないフィーリングです。そして特徴的なピン形状のTip&Tailによりパウダーを切り裂くように力強く突き進み、Tip&Tailが受ける抵抗も少なく高速域で高いパフォーマンスが発揮されます。そして連続するマッシュや落ち系ジャンプのランディングでの失速をぐ構造です。WW116は速く滑れて、しっかり飛べて、マニュアルな操作感を必要とするスキーヤーに履いていただきたいスキーです。
対して、最新のWW121はとにかくパウダーライドに特化したスキーです。パウダー表面を船のように進み、スイベルテックと短い有効エッジによりスキーが非常に自由に動いてくれます。ひたすら直進性の高いWW116とは真逆でよく浮いて、よく動くスキーです。反り上がりの大きいロッカーのおかげで中低速域でもしっかり浮き、スキー自体もそこまで柔らかくない為、パウダースキーにありがちな、雪の捉えすぎで発生する失速も発生し辛い点も特筆すべき点です。また、最新のスキーらしく軽量化にも抜かりありません。ターンの質に関しては、パウダーの中でキレるJJと、足元を中心にドリフトをするようなARGとはまた違った独特な感覚です。ターン導入と終盤ではロッカーによる縦方向への動きと、スイベルテックによる横方向への動きが相まりスキーは3Dに動きます。中盤はカービングに近い感覚で滑られます。よってJJやMJ,ARGどれとも被らない新感覚なライディングを楽しむ事が可能です。パウダー間の移動時の滑走性能にも申し分がなく、JJでは浮力が物足りないという方は迷わずWW121を選択されると良いでしょう。
*取り付けに関する注意
セットフロントする場合は有効エッジのドセンターよりも前にブーツセンターが来ないように現物を測定の上、オフセット量を決定してください。有効エッジのドセンターよりも前にブーツセンターが来た場合、著しく滑走性能が低下します。
“Best of Powderski”
パウダーでパークのように遊ぶために生まれたJJ。それはいつしか誰でも簡単に最高のパウダーランができるスキーとしてブームを巻き起こしました。今に至るまで改良を繰り返し、JJの名に恥じない最新版が2種類のARV116JJです。
オリジナルARV116JJ(以下JJ)とARV116JJの基本構造をそのままに芯材をカルバコアへ、エッジは1.7 Lightweight Edgeへ変更し、超軽量パウダースキーZERO ARV116JJUL(以下JJUL)がラインナップされております。JJULはULの愛称でJJブーム再来を巻き起こしたニュースタンダードスキーです。
JJUL/rider:Tomohiro Murai(movie)
21/22はJJULが大活躍するシーズンとなりました。
*JJULとVJJULはコスメ違いで性能の差はございません。
・JJとJJULの違い
オリジナルのJJはパークスキーと同じ高強度の芯材”ポプラアッシュコア”と太いエッジ”2.5インパクトエッジ”を搭載した非常に頑丈な作りとなっております。これはそもそもJJがパウダーでパークのようにトリックを決めたり、木や岩に当て込んだりする想定で作られたスキーであることを意味しております。あらゆる衝撃を受けてもスキーの基本構造を保ち、タフに使用できるパウダーツインチップスキーがARV116JJです。
対して現在、世界中でスタンダートとなっているのは超軽量ファットスキーJJULです。トップライダーからレジャースキーヤーまでレベルを問わず多くのスキーヤがJJULの虜になっています。なぜJJULがこれほど多くのスキーヤーに評価され愛用されているのか、その魅力について解説していきたいと思います。
・ULの恩恵
AR本国ライダーは揃えてこう口にします。”軽さは何にも変え難い”と。ただ単に質量が小さいだけではなく、スイングウエイトまで徹底的に軽量化が図られました。その軽量さはパークスキーをも超えると言われています。彼らはネクストレベルへ到達するための鍵となるスキーとしてJJULを愛用しております。
もちろん軽さは一般ユーザにとっても非常に重要な要素となっております。楽に、疲れずに1日楽しむためにも軽いことに越したことありません。そして軽くなった分、1サイズ長いものを選択することが可能となります。それはパウダーで更なる浮力を生み出し、大きなアドバンテージとなります。
スピン、フリップに全く支障をきたさないJJUL。
・軽く力強い
一般的に軽いスキーは柔らかい、弱いといった概念が存在しましたが、JJULはそれらを完全に払拭しました。これは最先端の開発・製造技術の賜物です。内部の素材やエッジ、サイドウォール、キャンバー といった様々な要素の組み合わせを工夫することで足元を含む有効エッジ部分は強く、高速ランに対応。そしてTip&Tailがまるで無いかのようなスイングウエイトの軽減を達成しました。JJULはトータルバランスで成り立っています。
・誰もが手軽に無重力ライド
ロッカーとキャンバーのバランスの良さで扱いやすさに定評があったJJ。ULになることでしなやかさが増したTipがパウダーを捉えて板がたわむため、気持ちの良い踏み込んだターンと抜群の浮力を味わうことが可能になりました。また、Tip&tailに施されたSmear Techによりスムースなターンやパウダーでのバタートリックが容易になりました。JJULは従来からの扱いやすさをそのままに、よりパウダーの表層を浮かびながら滑走することが可能です。
いろいろなスキーを見渡しても、これほどしなやかで重量のあるスキーは珍しいのではないでしょうか?STRANGERはパークスキーに用いられる高強度なポプラアッシュコアを使用しております。軽量化一辺倒の中、スキー内部の多くをウッドで占める構造で2000g代と重い部類に入りますが、適度な重さがある事でしなやかながら安定感の高い滑走性能を発揮します。そしてウッドが持つ高い緩衝性と適度な反発で乗り心地の良い仕上がりとなっております。カーボンやメタルが完全に入っていないウッドの特性を生かし切ったスキーといっても良いでしょう。また、しなやかで柔らかめのフレックスとショートラディウスが相まってRの表記以上によく曲がるため、簡単に、より深いターンを楽しめます。まさにゲレンデクルーザーと言っても良いでしょう。
・扱いやすさ
ディレクショナルという観点から一見扱いずらそうではありますが、Tip&Tailに施されたロッカーはやや手前から効き始めるため有効エッジ長が短くなり非常に扱いやすくなっております。キレてズラしやすい自由度の高いスキーです。
・汎用性
JJと同じ139mmのWide Tipとセットバックされたセンターによりパウダーでは、センター100mmのスキーとは思えないパフォーマンスを発揮します。また取り回しが良いため沢地形やバンクのライドにも向いております。硬いバーンは苦手ですが、エッジをチューニングすることである程度はカバー可能です。
・パークでの使用について
最近はパークで使う方も増えております。高回転トリックには向きませんがゆるく遊ぶにはもってこいのスキーです。ビンディングのセット位置は有効エッジのドセンターからやや下げた位置です。セットバック量はお好みの範囲で20mm以内としてみてください。
STRANGER/rider:kento Isokawa(movie)
ワイドノーズとスプリングボードテールといったSTRANGERの特性を活かした遊び方がオススメです。
・JJULとの相性の良さ
メインシーズンを楽しむJJUL、非降雪時や春スキー、地形遊びを楽しむSTRANGERといった風にこれらの2台持ちも非常にオススメです。JJULは185cm,STRANGERはあえて172cmにする事で遊びの幅がグッと広がります。
*取り付けに関する注意
セットフロントする場合は有効エッジのドセンターよりも前にブーツセンターが来ないように現物を測定の上、オフセット量を決定してください。有効エッジのドセンターよりも前にブーツセンターが来た場合、著しく滑走性能が低下します。
遠い過去から現在に至るまで、ハイスピード、ビッグターンに耐えうるスキーを開発する中で短いスキーに目を向ける者などおりませんでした。180cm以上の長さが当たり前のフリーライドスキーに一石を投じるかの様なショートレングスモデルが誕生いたしました。
・SHORT PANTS=少し裾丈の短いパンツを意味する言葉。
→普通のフリーライドスキーは180~190cm半ばが当たり前。
・PARADOX=逆説的
→短いスキーでのハイスピード滑走、ビッグターン、パウダーライドはあり得ないという定説、固定概念を覆すパフォーマンス。
ピンノーズに加えて、抵抗を受け流す様に低く抑えられたノーズロッカー。テールもロッカーの開始点がややセンター寄りで操作性を高めております。写真ではわかりにくいですがキャンバーのピークはノーズとテール側に二箇所に存在。また、センター位置が大きくセットバックされたディレクショナル形状でパウダーでは大きな浮力を発生させます。
テールへのスミールテック加工は初の試みです。テールのロッカーと相まってテール側の自由度は抜群で、サーフライクな遊びも楽しむことが可能です。また、ディレクショナル 形状による短いテールとスミールテックの相乗効果で効率よく雪を逃すため、パウダーでの抵抗を減らしスピードも乗りやすくなっております。
SHORT PANTS/rider:Eigo Higuchi
ショートレングスながらパウダーでの性能の高さも際立ちます。ノーズから切り込むことも、テールをズラしてスプレーを上げるのもよし。
SHORT PANTS /rider:Shina Nakayama
センター110mmオーバーでありながらもややハリのあるフレックスとキャンバーバランスによりグルーミングでのターン性能も高い点も特徴の一つ。
最後までご拝読ありがとうございます。ゼロシリーズについてより深く知っていただけたのではないでしょうか?ゼロは常に変化、進化していくモデルです。そんな特性上、そのシーズン限りのスキーも当然出てきますのでチャンスを逃さないように手に入れていただきたいと思います。次回の更新もお楽しみに!!
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