2024.08.30 ZERO “KIMBO” 1st インプレッション

皆さんこんにちは。
多くの方々が気にしていたであろう24-25Newモデル ZERO KIMBOが日本に到着しました。
本来であれば、DEMO TOURにて試乗できるはずであったこのスキー。完成が遅れた理由は、このスキーのプロデューサーであるKimの妥協なきテストが続いていたためです。シーズン中、Kimと連絡を取ることがありましたが、最後の最後までサンプルに改良を加え、滑り込んでおりました。自身、初のシグネチャーモデルであるKIMBO。どのようなスキーなのでしょうか?

我々も現物の到着を今か、今かと待ち望んでおりました。
到着し、早速室内ゲレンデではありますがマテリアルテストに出かけてまいりましたので、今回は1stインプレッションとして皆様にお届けしたいと思います。最後まで是非お読みください。

Kim Boberg

スウェーデン在住、アルマダ在籍年数:15年。
長年のアルマダファミリーであるキム・ボバーグは、レジェンドであり、このスポーツの真のアンバサダーです。 Field Productionsとの伝説的なビデオパートから、『Oil and Water』でのバンガー・セグメント、そして彼のホームリゾートであるクラッペンで毎年開催されるキンボ・セッション(お気に入りのスキーヤーが一堂に会してスーパーセッションを繰り広げるイベント)の主催に至るまで、彼がアルマダというブランドとフリースキーを取り巻くカルチャーに与えた影響は計り知れません。 彼は雪上で最もスタイリッシュなスキーヤーのひとりであるだけではなく、 最も素敵なスキーヤーのひとりでもあります。数年前のARMADA TEAM SUMMIT2022では彼のホームであり、監修するパークで一緒に過ごさせてもらった際には、仲間思いな兄貴分、そんな彼が印象的でした。Instaはコチラ

ZERO”KIMBO”

KimといえばZERO STRANGERのパークでの可能性にいち早く注目し、それらを発信し続けたライダーです。本来は、ゲレンデクルーズを楽しむためのディレクショナルスキーであったはずのSTRANGER。誰しもがあの白いスキーでパークをライドするKimを見て驚いたことに違いありません。ショートラディウス(R=15m)のセミファット(センター100mm)で、推奨センター+60mmのパークセッティング(有効エッジ のドセンター)を考案し、多くのファンに多大な影響を与えたことは言うまでもありません。

今回の最新作”KIMBO”はSTRANGERをよりパークシーン(トリック)で使いやすようリデザインしたものとなります。当初、彼は”KIMBO STRANGER”とこのスキーを呼んでおり、まさに、STRANGERのユニークなエッセンスをパークシーンに落とし込むべくして生まれたスキーと言えます。

KIMBO vs STRANGER

STRANGERとの違い①が設計段階でのセンターの位置です。ラディウス(R)のセンター=一般的にそのスキーにおいて最もターンがしやすいとされる位置は、それぞれスキーの全長のドセンターからSTRANGERは約-100mm、KIMBOは-60mmとなっております。そして後者はそこから40mm前に出した位置(有効エッジのドセンター)がKimのセンター=Factory Recomendと刻印されております。パーク一筋であればFactory Recomend、ナローなSTRANGERとして、スキーを楽しむのであればラディウスのセンター付近、時にパークらしく、時にスキーらしく滑りたいのであればその間でセンターを決めていくと良いでしょう。

“フリースキーのビンディング取り付け位置事情”
本題からやや脱線しますが最近のフリースキーのビンディング取り付け事情について。有効エッジのドセンターに取り付ける方法は国際的なパークシーンやヤングライダーの間では間違いなくトレンドでありますが、国内での一般的な使用環境を鑑みた際、レギュラーでの滑走フィーリングもスポイルしない有効エッジのドセンターから10~20mm程度セットバックを取るケースが多いです。どんなスキーであっても言えることですが、使用される方の滑走ポジションや使用するブーツの前傾角によって同じセンター位置であってもフィーリングが大きく変わります。セッティングのバランスは非常に重要です。

KIMBO vs Others

STRANGERとの違い②はシャープさが増したことです。KIMBOはSTRANGERをナロード(細身化)し、芯材をポプラコアに変更しております。スキーが細くなり、軽量な芯材を使用することで、質量、スイングウエイトが必然的に軽くなっております。

ポプラコアの特筆する点としてはスキーが素直に撓み、戻りが素早い点です。今回、テストに持ち込んだSTRANGER,BDOG,EDOLLOは従来のパークスキーに用いられてきたポプラアッシュコアが使用されており、ポプラコアと比較するとスキーが撓む、戻ると言った際にもたつきを感じます。KIMBOはスイングといった水平方向への動き、撓みと行った垂直方向への動き、どちらにもスムーズに反応、追従しシャープな操作感がなんとも気持ち良いです。

また、各モデルとのフレックスの比較については下記の通りです。
KIMBOはSTRANGERに対しては全体的に柔らかく感じます。履いた瞬間からしっとりとした感じを実感でき、ノーズプレスのような動きに関してはトウピースのすぐ前にフレックスの変化点があり、体重を乗せやすくプレスを維持しやすくなっております。テールはノーズ、センターと比較しやや硬く感じられます。これはEDOLLOに似ております。単純な柔らかさを(ノーズ、センター、テールの硬さを平均して)比較するとEDOLLO>STRANGER>KIMBO>BDOGの順となります。やはりBDOGは不動の柔らかさを誇ります。

ノーズはエッジをフルラップすることで人工物への接触からスキーの構造を守ります。硬めのテールとアルミ製のテールチップが相まり、パワフルに壁を削るような動きや丘(バーム)上のセクションをテールマニュアルで進むような動きを掻き立てます。隅から隅までKimのこだわりが詰まりきった全く新しいスキーが完成しました。

2ndインプレッションはNZ遠征へ出かけている藤井源に託しましたのでそちらもレポートが届き次第、公開したいと思います。2ndインプレッションもお楽しみに!!

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