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2025.10.18 Basic of Park Skis “ARV88“
みなさんこんにちは。気づけば10月中ばとなり、各地のスキーショップ様におきましても新製品の入荷が進んでおります。前回の配信から時間が空いてしまいましたが、今回は表題の通り、アルマダコンペチームの現役ライダーより寄稿がありましたのでお伝えいたします。この夏、南半球へ渡ったメンバーからの新鮮な情報もお届けします。

ARMADA の生い立ち
アルマダ=20002年、それまでの全てのスキーシーンに対する、フラストレーションをツインチップスキー作りに昇華させた、元祖ツインチップビルダー。タナーホールやJP オークレアら5名のトップライダー達が集まりブランドがスタートささました。“既成概念にとらわれず、ライダーが欲しいモノ、必要なモノを形にする。そして、それらは実戦において、機能的かつ実用性の高いものであること絶対でなければならい”。そのマインドは今も色褪せることはありません。

ARMADA 誕生と共に、AR5、翌年ARVがリリースされ、代々アルマダの看板ツインチップモデルはAR○○とネーミングされ、Xgamesをはじめとする国際的コンペシーンで記録と記憶を塗り替え、シーンを作り上げて参りました。特に無敵艦隊を意味するARMADAの看板ライダーである、タナーや、その次世代にあたるヘンリックは、常勝無敵の黄金時代を築き上げ、表彰台を独占しました。

ARシリーズの最新版
アルマダの看板ツインチップ=ARシリーズ。現在、その名を系譜しているのはARV&ARWシリーズです。アルマダが創業して、この20年でスキー作りは、設計、原材料の加工、製造において飛躍的に進化しました。より軽く、より強く、よりスマート(無駄がなく高機能)に。日常使う携帯やPCがそうである様に、スキーも同じ道を進んでいます。

現行のARV&ARWシリーズは今持つ技術、アイデアをつぎ込んだ20年目の集大成でもあります。パウダー&フリーライド、オールラウンド、パークとあらゆるシーンをカバーします。25はARVとARW、計3色展開となり、選択の幅が広がります。スキーの中身は共通ですので性別問わず好きなカラーをお選びいただけます。

過酷な昨今のコンペシーン
高難易度化に歯止めのかからない昨今のコンペシーン。スピンは高回転化、トリプルコークは当たり前。ジブトリックの複雑化。とにかく複雑でハイリスキーな事を当たり前の様に、スマートに決められなければ勝ち残ることのできない世界です。現代のシーンには、軽量で、パワーロスが少なく、ハイレスポンスで全てにおいて、シャープに、簡単に、扱えるスキーが必要不可欠です。この様な事情から現代のアルマダコンペチームの足元を支えているスキーは主にARV&W88となります。

藤井源 23歳
所属:INPEX
1. 自身を取り巻くスキー環境、スキー観について
10歳の時に父の影響でスキーを始め、ジュニア時代はコンパスカップ(ジュニアの登竜門)や全日本選手権、世界ジュニア選手権などに出場してきました。現在は会社に所属しながらアスリート社員として、ワールドカップなどコンペを中心にオリンピック出場を目指して活動中です。コンペ以外ではARMADA本社のプロモーションビデオやムービープロジェクトにも積極的に参加しております。

2.コンペで使用しているスキーについて

ARV 88 176cm
⑴このスキーを選ぶ理由。
デザインも格好良く、ハリのあるキャンバーとスイングウエイトの軽さで安心してカービングやジャンプ、ジブをする事ができるから。どんどん、技の難易度が上がり、複雑化が進む一方ですので、88のようにパワーロスが少なく、軽く捌くことのできるスキーは必要不可欠です。
⑵このスキーの特徴。
旧型のARV86がなくなりフルキャンバースキーのARV88が出て、最初は遊びのないコンペ用のパキパキのスキーだったらどうしようかと思っておりました。実際にARV88は、アルマダらしい遊びを程良く残しつつも、コンペ向きのハイレスポンスな板になっていて、カービング、ジャンプ、ジブはもちろんのことバターやプレスも違和感なくすることが可能です。
⑶ビンディングの取り付け位置
15mmバックで取り付けしています。過去にはドセンターへの取り付けも試しましたが、スイッチには強いが、レギュラーに弱い(スキーが走らない)傾向にあり、ほんの十数ミリのセットバックをする事でそれらは解消します。
⑷どんなスキーヤーにお勧めか?
パークスキーを楽しむ全スキーヤーにおすすめします。板を踏み込んだ時の反応の良さや、板の軽さを感じれるスキーだと思うので、パークスキーを始めたいパーク初心者(スキー技術は中上級)の方やトリックを上達させたり魅せたいパーク中級、上級者の方からコンペで活躍したい方におすすめできます。特に技を覚えて引き出しを増やすためには最短ルートとなる事でしょう。
パークもスキーも初級レベルの方や、体重の軽いジュニアライダーには、フレックスが柔らかく、フルキャンバーに近い控えめなロッカーデザインが特徴のARV84をおすすめします。私も、小中学生の頃はこのスキーに育ててもらいました。

3.プライベートで使用しているスキーについて

ARV94 178cm
⑴このスキーを選ぶ理由。
スキーがもっと楽しくなるから。
⑵このスキーの特徴。
ARV88とは対照的で、キャンバーロッカーでハリがあると言うより、ねばりがあるスキーです。ノーズバター、プレスはもちろんのことグラトリや未圧雪の少しぼこぼこしたバーンでも走破性良く安定して滑走することが可能です。
⑶ビンディングの取り付け位置
ARV88と同様にど真ん中から15mmバックで取り付けております。
⑷どんなスキーヤーにお勧めか?
ARV88に比較すると少しスイングウエイトが重く感じるので、軽く飛んだり、パークをゆったりとしたスタイルで滑ったりしたい方におすすめです。
⑸最近のスタイル事情(身だしなみ)
表現が難しいのですが、ウエアはタイトすぎないジャストサイズが好みです。丈はサイズ相応、ボリュームが適度にあるようなイメージで、あまりダボダボになりすぎないストレートな着こなしを意識しています。身長は173cmでジャケットはモデルを問わずLを、パンツはチームイシューカーゴパンツや25からシルエットが変わったチェアマンパンツを使用しております。
ポールは110cmを使用しております。
選択基準としては、邪魔にならない、スイングウエイトを感じすぎない、見た目的に短く無いという事を意識しています。ポールも大事なファッションポイントのひとつとなっておりますので気にしてみると面白いです。

佐藤 可崇 17歳
所属:ドリームゲートスノークラブ
1. 自身を取り巻くスキー環境、スキー観について
スキーが身近な札幌市で生まれ、小学1年生から本格的にアルペンスキー競技をはじめました。その後フリースタイルスキーに転向し、小学5年生からARMADA Japan 育成 jr.ライダーとして活動をスタートしました。現在は、ナショナルチームのメンバーとして国内外の大会を転戦しております。コンペでは結果を求めますが、本来のフリースタイルスキーの楽しみ方も大切にしています。特に、他の人には出来ないスタイルの出し方、板捌き、見せ方にこだわったライティングを追求しております。

2.コンペで使用しているスキーについて
ARV 88 171cm
⑴このスキーを選ぶ理由。
ARV88を選んだ理由は、自分が大会に出場する上で、自分の動きを最も容易に出すことの出来きるスキーであったからです。
⑵このスキーの特徴。
スキーの特徴は、センター88mmという細身で、ジブで身軽にこなせる点と、ジャンプではテイクオフのしやすさやグラブの取りやすさがとても良いと感じます。この板は硬くも柔くもなく丁度良い硬さなのでパークなどでのライディングではもってこいなスキーであると思います。
⑶ビンディングの取り付け位置
ビンディングの取り付け位置は、ドセンターから1.5cmバックです。少しセットバックすることで、レギュラーでの滑走性を高めたり、スキーを走らせやすくなったりするというメリットがあります。同時に、スイッチでの滑りやすさも保たれるセットバック量ですので、安定感が抜群で安心してスイッチからのトリック繋げられます。また、ジブに乗る時に芯を捉えやすくなることも特筆すべき点です。
⑷どんなスキーヤーにお勧めか?
この板はこれから技数を増やして上達したいパーク初心者から、上級者まで幅広く楽しめるパークスキーです。小さな力で、大きなトリックに繋げられるシャープさがあるため、トリックの引き出しを最速で増やすことが可能です。また、ARV 88は157cmからの展開のため、それ以下の長さを求められているジュニアライダーには短いサイズから展開のあるARV84がおすすめです。

⑸ビンディングSTRIVEとの相性について。
STRIVEにしか実現できていない低重心設計により、スキーとビンディングの一体感が高まります。縦バネでありながら横バネの様なスイングウェイトの軽さが、フリースタイルでは武器になります。私は最もユーザー様の使用率が高いSTRIVE14GWを使用しておりますが、トリプルコークも掛けられる信頼できるビンディングです。
また新しいブーツAR ONEの抜群のホールド感、フィット感と相まり、より繊細な操作に繋げられます。

3.プライベートで使用しているスキーについて。

BDOG 172cm
⑴このスキーを選ぶ理由。
パークでchillライディングをする際に、バターやスタイルを出したトリックをしやすいスキーであるからです。
⑵このスキーの特徴。
センター94mmとやや太めで安定感がありつつ、アルマダで最も柔らかいためバターやグラトリなど、このスキーにしかできない動きを表現することが可能です。足元からたわむサークルフレックスにより、より柔らかく感じます。しかし、ただ柔らかいだけではなく、体重を乗せ切っても支えることのできる芯の強さを兼ね備えていることが最大の特徴です。

⑶ビンディングの取り付け位置
このスキーはドセンターで設計されている事に加えて、トップ&テールのロッカー配分が1:1で長めに取られています。そのため取り付け位置はドセンターから1cmバックとしています。バター系のトリックをする際に、ノーズとテールを均等に使える事、そして荷重をかけやすいセット位置です。
⑷どんなスキーヤーにお勧めか?
このスキーはバターやグラトリなどが好きな方やパークを楽しく流したい方に最適です。柔らかく、ラディウスも小さいので容易に小回りが効き、扱いやすいスキーです。
5.最近のスタイル事情(身だしなみ)

私はジャケットは丈を短く、ボリュームは抑え目。パンツは太く、腰履きはしない。そんな着こなしを心がけております。

写真のアンセルシェルジャケットとチームイシューパンツは24シーズン通して使用しました。

ウエアのトレンドは常に流動的で、変化します。当然、好みもあります。他のARMADAライダー達のSNSもよくチェックしてみるのも面白いかもしれません。

また、最近は長めのポールを使用する傾向にあります。私は長さのバリエーションが豊富で、パウダーバスケットがついたLEGIONを使用しております。全てにおいてカッコよさを追求し、他に影響を与え、このカルチャーは今に至ります。正解はないからこそ、トレンドと自分らしさを融合させて楽しむことが大切です。

榎本悠人
2011年9月26日生まれ。東京出身。
ドリームゲートスノークラブ所属。
ホームゲレンデは湯沢エリア。

1. 自身を取り巻くスキー環境、スキー観について
父の影響で3歳からインラインスケート、フリースキーを始め、小学生になってからはインラインスケート、フリースキーの大会に積極的に参戦。小学4年生頃からは本格的にスキーの選手を目指し神立ユースチームで競技としてのフリースキーの楽しさを学ぶ。スタイルある滑りと競技性の両立を目指し、2025年は海外大会初挑戦など更なる成長に向けて日々奮闘中。

2.使用しているスキーについて(コンペ用)
ARV88 161cm
⑴この板を選んだ理由
パークをメインに滑っている中で、特にジブを得意としており、このスキーがアルマダのツインチップの中で最も、俊敏に動くことができ、容易にトリックを決められるからです。
⑵スキーの特徴
何よりもシャープな操作感がこのスキーを使用する最大のメリットです。適度な太さで、ジブの上では安定し、反発力もしっかりあるため、ジャンプの踏み切りからグラトリまでキレキレです。パークでは万能で最強の相棒です。
⑶ビンディング取り付け位置へのこだわり
ジャンプやジブのスイッチインも意識してセットバックは1.5~2センチバックにするようにしています。常にスイッチで滑り続けるわけではなく、スキーを走らせ、ターンしなければならないので、セットバックは必要です。

(4)どんなスキーヤーにお勧めか?
ARV88は中級者以上でパーク、パイプで遊びたい方に特にオススメです。ビッグキッカーを飛べるレベルの方やジブで俊敏に動きたい方にはとても強い味方です。

体重の軽い小中学生や、スモール、ミドルキッカーがメインの方にはフレックスがやわらかめなARV84がおすすめです。短いサイズから展開があり、私自身も小学校高学年の頃は84を使用しておりました。現在活躍する先輩アルマダライダー達も皆、84で育っています。25からはより短いサイズはTANTRUMシリーズに加わわりましたので、ジュニアライダーは要チェックです。
最短で技を覚えたい、上達したい方にはベーシックオブパークスキーであるARV88&84は最適な選択かと思います。

⑸ビンディングSTRIVEとの相性について。
軽量でありながら、信頼のおける性能でフリースタイルに適したビンディングであると思います。ビンディングにさり気なくARMADAロゴが入っているので、板と合わせてコーディネートできることもポイントです。体重の軽いユースライダーにはStrive12が最適です。
今回も最後までお読み頂きありがとうございました。次回からはシーズンが近づき、皆様のギア選びに役立つ情報を配信してまいります。次回もお楽しみに!
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